課題曲Ⅰ課題曲
夕映えの丘
森山至貴/第35回朝日作曲賞受賞作品
2026年7月16日(木)
夕暮れの情景とほろ苦い感傷をたたえた、朝日作曲賞の叙情作。派手な技巧より、澄んだ和声と歌心で聴かせる一曲です。演奏の勘所をまとめました。
第35回朝日作曲賞を受けた作品。作曲者は社会学を専門としながら合唱曲を数多く手がけてきた書き手で、吹奏楽コンクールでは初の受賞です。夕暮れどきの情景と、そこに漂うほろ苦い感傷が全体にちりばめられた、絵画的な音楽。前半は穏やかに歌い、中盤から少しずつ景色が動きだしていきます。求められるのは、あたたかく柔らかな音色と、旋律を語りきる歌心です。
演奏のポイント
- 音符の並びはシンプルでも、難しいのは音色・音程・ハーモニーをぴたりと重ねること。静かな場面での響きの純度がそのまま完成度に直結します。薄いところほど丁寧にさらうと差がつきます。
- 旋律は「文章を読むように」。フレーズのどこが山で、どこへ着地するのかを共有し、歌詞をのせるつもりで運びます。ブレスの位置や呼吸をパートでそろえると、フレーズが自然につながります。
- 音の入り方(発音)で音色の印象はほぼ決まります。柔らかい音はやわらかいタンギングで立ち上げ、場面ごとに発音のコントラストをつけると、色の変化が生まれます。
- 中盤以降、テンポが前へ進みだす場面は聴かせどころ。景色が後ろへ流れ、時間が動き出すような高揚感を——若い世代はその年代だけのまぶしいエネルギーで、大人の団体は過ぎた日を懐かしむまなざしで。
- テンポの継ぎ目は「次はこの速さ」を全員で共有しておくと、本番でも合いやすい。ユーフォニアムのソロや低音の見せ場では、伴奏側は主役を消さない音量設計を。
こんなバンドに
澄んだ和声と歌心で勝負したいバンド。編成が小さくても、丁寧な音づくりがそのまま強みになります。

